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2010.05.22 (Sat)

数学ガール

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素人にはお勧めできない

友人に勧められて買った本。
内容は難しいよとは言われていたのである程度は覚悟していたが、
予想をはるかに超える難しさ。だった。

いやまぁ、俺も数学が得意だと自称してるわけで、理解できないわけじゃないんだ。
でも、その後ろにある数学的な伏線を見切れないと本当の意味でこの本は楽しめない。

「自称数学好き」が読んで、打ちのめされて、さらに数学にハマる。ってのがこの本なのだ。
あ、打ちのめされてそのまま立ち直れない人もいると思うので注意してくださいw
特に、「数式アレルギー」を患っている人には危険です。克服してから読んだほうがいいでしょう。

5時間もあれば読破できてしまいますが、1章に1週間、全10章で2ヶ月~3ヶ月かけてじっくり読んだほうがいいでしょう。




内容は、数学好きの主人公(♂)と同級生の数学バカの得意なミルカ(♀)と、決して数学が得意とはいえないけど、目の付け所が良い後輩のテトラ(♀)の3人が数学の問題を解いていくというストーリーです。なんというハーレム。

俺が学生時代に教室に配られてるビラ(全学連とか)を折り曲げて準正多面体の模型を作ってたら、近くの席に居た女の子が対抗して違うタイプの折り方で別の準正多面体を作りだして、目が合ってお互い苦笑。なんていう甘酸っぱい記憶を思い出しましたwこの記事を見て私だと思う方はご連絡を


・・・話が逸れました。本の中身の紹介でした。

定番のフィボナッチ数列があちこちに出てきて、いかにも数学好きを狙っている感じです。
1巻では最後の最後までフィボナッチ数列を引っ張るんですけど、露骨に出すのではなく、
「あれ?これってもしかしてフィボナッチと関係あるかもしれない??」
な感じで提示して、その後、実は!みたいにフィボナッチが登場する感じです。

その他にも、数学的に上級の話がテーマだけど、そのテーマは最後に明かされる。
ところどころにヒントがおいてあって、「あれ?これって??もしかして???」という感じで深層に近づいていく。


つまり、「あれ?これって??」って思わない人には、なんで回答にそんな数学が出てくるのかが理解できないのです。
この時点で既に、結構なレベルの数学的なセンスが要求されているのです。

ここを突破して回答を導き出して解説を読みます。
「俺、分かっちゃったもんね。この本簡単すぎwww」と自惚れながら。


しかし、解説を読むと、愕然とします。
自分が考えてたよりもはるかにエレガントな回答が待ち受けているのです。


・・・いやいや、こんなの分かるの作者だけだって。凄すぎて参考にならないって。


とまぁ、こんな感じです。
ここで打ちのめされて這い上がってくるかどうか。これが数学者と一般人の違いでしょう。

 ・ ・ ・ 俺 ?  一般人ですよw
(最終章の10章だけは解説を先回りして解けましたけど、あの解説の裏にはまだ色々隠されてる気がします)



本のデータ
ISBN978-4-7973-4137-9
価格:1,800円
著者:結城 浩
330ページ ペーパーバック 横書き
2007年初版 2010年現在で14版。かなり売れてるみたいですね。書店によってはシリーズで平積みしているところもあります。

第2巻:フェルマーの最終定理
第3巻:ゲーデルの不完全性定理
も発売されています。あと漫画版も発売されています。私は読んだこと無いので批評はできません。
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テーマ : 理系本 ジャンル : 本・雑誌

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2010.04.24 (Sat)

天文対話

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“この本を読まずして、理系を自称するなかれ”

第一回目は有名なガリレオ・ガリレイの天文対話です。この本の紹介抜きにこのシリーズはスタートできません。

内容はご存知、天動説と地動説の議論。
この本が元で、ガリレオは宗教裁判で有罪になりました。

 なぜ宗教裁判にかけられたか、について、“地動説を発表したから”と誤解している人が多いですが、それは大きな間違いです。この“天文対話”が発刊されたのは1632年。コペルニクスが地動説を公式に発表したのが1542年。百年近くも前なのです。そして、ケプラーが“ケプラーの法則”を発表したのが1609年。この法則によれば、地動説が完全に説明づいてしまうのです。

 ガリレオは教会から注意を受けても無視し、裁判で有罪を受けても無視してこの本を出したので、とうとう終身刑になってしまうのです。つまりは、“教会への反逆”がメインの罪なのです。


 彼がここまでこだわった理由は何か?ケプラーの法則により、いずれ天文学者は完全に地動説を支持することでしょう。敢えて教会に反逆してまでこの本を刊行したのは何故か?
・・・そこまでを予備知識として知っていないとこの本の本当の価値が見えてこないのです。

 “天文対話”は一般人を対象に書かれた本です。これが、コペルニクスやケプラーとは異なる点です。この本は読者に、“自らの頭で納得できないものを妄信してはいけない”という事を教えているのです。

私は、“天文対話”は、一般人が自分で考える能力を身につけるために書かれた本であると思うのです。


そろそろ、内容について。
上下巻700ページの大作です。まどろっこしい表現が読むスピードを遅くします。気合を入れなければ読み切ることは出来ないでしょう。


 この本の特徴は、タイトルにもあるように、対話形式で行われるということです。(より正確な訳には、“プトレマイオスとコペルニクスとの二大世界体系についての対話”です)
 天動説支持派のシムプリチオ君と、地動説支持派のサルヴィアチ君、そして中立派のサグレド君の三人が登場します。といっても、著者であるガリレオ君が地動説支持派なので、端っから出来レースな訳で、中立のサグレド君は最終的に地動説を支持し、シムプリチオ君はフルボッコにされます
 ただ、そのフルボッコまでのプロセスが重要なのです。自分が理解できる・納得できるものをひとつずつ積み上げていくのです。当然、サルヴィアチ君の言うこともシムプリチオ君の言うこともも、どちらも理解できない場合があります。そこは、“どちらも支持しない”、というスタンスで読むべきです。
 実際、地動説のサルヴィアチ君はたくさんの間違いを犯しています。例えば、惑星の軌道半径と公転速度について、“計算の結果に驚くほど近い”と言いながら、その計算過程も計算結果も記載しない。こんなものは納得できません。そして、案の定間違っています。(これは、ケプラーが何年も前に楕円軌道でちゃんとした計算をしていたにもかかわらず、ガリレオが惑星の公転は真円を描くと信じ込んでいたためにその内容を(妄信的に)否定したためだと私は思います。)

 この本を読むことで、自分の納得できるものだけを信じるという習慣がつくと思います。この習慣が無い人間は理系を自称してはいけません。


・・・教科書に書いていたから。は納得する理由にはならないのである!





 また、この本は資料としての価値も高いです。彼の時代の世界観がどうであったか。はっきり言ってビックリです。例を挙げると、

・運動は円運動、直線運動、そして円運動と直線運動との混合運動に分類される。
・このうち、円運動と直線運動のみが単純運動であるが、円運動のみが完全である。
 なぜなら終わりも無ければ終わりも無いから。(だから円運動をする天体は完全であり、不変である。神の住処だからだ!)

・・・おいおい。
と、現代の私たちは突っ込むのですが、当時はそれが当たり前の世界観だったのでしょう。(当然、著者が否定派なので、わざと馬鹿馬鹿しく書いていることを考慮する必要があります。)



本のデータを紹介

青木靖三氏の訳によるものが岩波書店から出ています。上下巻あります。
ソフトカバーで、縦書き。ところどころ挿絵があります。数式はほとんど出てきません。

現在絶版になっており、プレミア価格がついています。(定価700円くらいが1,500円くらい)
古い本しか手に入らない場合も多く、保存状態は期待できません。(下巻の状態が良いものなど・・・おお、こわいこわいw)
普通の図書館なら置いているはずなので、入手が困難ということはありません。もし置いていない図書館があったら館長を怒鳴り倒していいレベルです。

 そもそも、なぜこの本が絶版なのか。岩波書店はCSRを果たせ!と言いたい。(増版しないのは売れないからであって、売れないのはみんなが読まないからであって、みんなが読まないのはみんなが必要だと思わないからであって・・・。私は必要だから読め!って言いたいのですよ。)

テーマ : 理系本 ジャンル : 本・雑誌

18:57  |  理系読書のすゝめ  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2010.04.24 (Sat)

理系読書のすゝめ

 ここでは、私が持っている本、読んだことがある本の紹介と批評をしていきます。
ジャンルは理系の本です。学習参考書からSF小説まで、色々と取り上げたいと思います。まぁ、SF小説は一冊も読んだことは無いのでこれからですが・・・

 なぜ、こんなシリーズをはじめようかと思ったかについて説明すると、

「自ら考えることをしない“自称理系”の人間がが多すぎる!」

ってことです。
 知らないことがあったら、即 Google & Wikipedia. その少ない情報を見て分かった気になり、この情報は今考えてる問題に適用していいの?そもそもその情報に間違いや嘘は無いの?など考えることもしない。これは、若者だけじゃなく、年配の人でもパソコンを使う人はしばしば陥ることです。

 この記事は主に高校生・大学生に向けて書きます。つまり、これから伸びる人に向けてです。考えるということを学んで欲しいのです。
 考えることを知らないまま社会人になったら、悲惨ですよ。かわいそうな人をたくさん見て来ました。本人に自覚は無いみたいですが。

・・・愚痴はこれくらいにして。
理系の本を読む際に注意すること。

① 縦書きか?横書きか?
 縦書きの本はいわゆる読み物系で、専門家じゃなくても読みやすいものです。一方、横書きは数式が多く出て来やすいので、数式アレルギーのある人には辛いかもしれません。

② 重版の頻度は?
 人気のある本は重版されるので、その頻度で人気度合いを推し量ることができます。ここで注意しないといけないのが、“大学教授が書いた本”です。授業の教科書として自分の生徒に買わせる場合、毎年一定量が売れます。そして重版されます。たとえ中身がショボくても、です。気をつけましょう。
 また、マニアックなジャンルのものは重版されないことがありますが、内容としては重要なものもあります。あくまでも目安として用いるのが良いでしょう。

③ 参考文献は充実しているか?
 多ければ良いというものでも少なければ良いというものでもありません。重要なものは質です。一冊につき100件ある参考文献をすべて読むことなど不可能ですから。
 “ハズレ”が無ければ参考文献も読んでみてもいいのですが、ハズレが含まれてるかもしれないと思った瞬間に読む気が失せてしまいます。参考文献の内容について言及があれば親切ですね。

④ ハードカバーか?ペーパーバックか?
 必要なのは中身だからカバーは別に関係ない。と思いがちですが、そうではないです。電車で読むときに違いが出ます。ハードカバーの本は、下敷きなしで書き込み出来ます。逆に、片手で持つにはペーパーバックのほうが持ちやすいです。あと、ハードカバーのほうが単純に値段が高いことが多いです。

⑤ 複数の作者の本を読むこと
 理系の人、特に数学者には変人が多いのです。数学は出来るけど何を喋ってるかまったく理解できない。そういう人が多いので、本も何が書いてるかサッパリわからないということが多いのです。同じ内容について複数の作者の本を読み、多角的に吟味する習慣をつけましょう。
 また、人それぞれ価値観が違うので、ある作者にとっては重要ではないことでも、別の作者には重要なことがあります。一人の作者の本だけでは見落とすこともあるのです。

⑥ 書き込みはどんどんする
 理系の本は、難しい内容のところはいくら読んでも理解できないものです。読んで理解できなければ噛み砕いて少しずつ理解するしかないです。数式が一般の数nで書かれていたら、n=1とかn=2とかの簡単なところから理解していくのです。そのために、本の余白にどんどん書き込みをしましょう。


面白い本をご紹介ください。コメント欄にでも書き込んでくださったら勝手に買って読んでみます。安く入手できれば、の話ですがw

目次:
① 天文対話 ガリレオ・ガリレイ 著
② 金色の石に魅せられて 佐藤 勝昭 著
③ 数学ガール 結城 浩 著
④ 空想科学読本 柳田 理科雄 著
④ トポロジカル宇宙 根上 生也 著
⑤ いかにして問題を解くか G. ポリヤ 著
⑥ NUMERICAL RECIPES

テーマ : 理系本 ジャンル : 本・雑誌

18:56  |  理系読書のすゝめ  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
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